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アップルの作戦会議3
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何の足しにもならない伊予の意見に真っ赤になって食いかかるが、当本人は素知らぬ顔で白い顔に感情すら浮かばせない。
「仕方がない。これが現状」
「むぐぐぐぐぐぐぐぐ…」
きっぱりと言い放たれ杏樹が歯を食いしばった。
頭のいい伊予ならばこの苦しみから解放してくれると勝手に信じていたというのに。何という裏切り。
本人の許可なく前信頼を寄せていたのに。杏樹は丸い頬を更に膨らませた。
怒りと悲しみが混ざった器用な百面相をする杏樹を楽にしてあげるべく、伊予は携帯ゲーム機をカバンから出した。
「仕方がない仕方がない。杏樹、確かなんかの素材がいるんじゃなかったっけ」
杏樹がはまっているゲームをちらつかせ興味をこっちに向けようと釣り糸を垂らした。
ほれ早く食いつけ食いつけ。
目の前でおいしい餌を振り回す伊予。杏樹がそれに食いつくのも時間の問題かと思われた。
だが予想とは逆に、杏樹のやる気に火をつけてしまったようだ。
今回の杏樹はいつもの弱虫ボーイとは一味違う。
昼の出来事が杏樹の何かに触れ彼をちょっとだけ強くした軌跡になったのだろう。
「うるせぇ!俺は赤面症を治すのに今度こそあきらめねえぞ!お前も協力しやがれ!詳しいことははまたおちおち考えるとして!素材いるんだよなー!一緒に倒してくれよー!」
「…あー。うんわかった」
これは自分の書いたシナリオどうりにいってるのか、よくわからなくなってきた伊予だった。
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