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アップルと二人乗り
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「んじゃー伊予!行くぞー!」
「………」
「おい返事しろよ!おれが馬鹿みたいじゃねえか!」
今はそれどころじゃない。
伊予は自転車のペダルを踏みしめながら、肩にのしかかっている掌の体温を不安に思った。
彼らは今自転車を二人乗りしている(自転車の二人乗りは危ないのでしないでね)。
杏樹がどうしても青春の代名詞は二人乗りだ!
と訳のわからない自論を熱弁したので、有無を言わさずこがされることになった。
当然杏樹が自らこぐわけがなく、こういう損な役回りはすべて伊予のものだ。
こうした過程があり息をきらしながら伊予はこいでいるのだった。
運動が苦手な伊予にとってはこれは一種のロードワークとなるのだろうが、これでは何も経験しないままマラソンをさせられること以上に無茶苦茶に感じられる。
嫌だとはっきり言えない自分が情けない。
杏樹に甘くなる性格を直さないといけないなといつも思っているのだがうまくいった試しはない。
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