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アップルは絶対めげない!
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「うわああああああ!いてえよ!いてえよおおお!」
頭から血を流してなきわめく杏樹をそそくさと抱えて、伊予たちはその場を後にした。
始業のチャイムが鳴り響く中、保健室へ駆け込んだ二人は杏樹に手当てを施した。
頭がちょっと切れただけだということで、とくに異常はないらしい。後は手足の擦り傷だけだ。
だが念のため少し休んでから授業へ行きなさい。という保険医からのお達しを受け、杏樹は呻きながら布団ですすり泣いている。
付き添いの伊予はどう彼をあやしたらいいか見当もつかない。
黙っているのも気まずいので声をかけてみることにする。
「杏樹。痛い目みたならもうバカなことはしないで…」
「馬鹿なこと…?おれはいたって真面目だぜ伊予!」
何を言うかと布団から飛び起きてきた杏樹は、ぎりぃと目つきを鋭くして伊予に顔を近づけた。
「おれはぜってえ諦めねえからな!!今日の放課後もさっそく練習だああああ」
「………えー」
「なんだその嫌そうな顔はっていだだだだ!」
傷口に響いたのか杏樹は大げさに布団に再び倒れこんだ。
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