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第2話 壊れゆく日常
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トトに担ぎ上げられアパートに移動している俺は、混乱していた頭を鎮め冷静に考えた
まずはズボンの後ろポケットから携帯を取り出し、有村にLINEで「体調が悪くなったから早退する。荷物はそのまま置いておいて」と打った
とりあえずこの状況を俺は理解しなければならないと思ったからだ
それに身体中痛くて授業を受ける余裕もない
携帯のバイブが鳴り画面をみると有村から「わかった。体調は大丈夫か?」と一緒に心配しているスタンプが送られてきた
「大丈夫だよ、心配するな」と返事を送り画面を閉じてポケットに戻す
「それよりトト…そろそろ俺を降ろしてくれないか?街中でこんなの目立つし、これで電車に乗るのは恥ずかしいんだけど…」
「は?なにいってるの??俺がそんな面倒くさい方法で帰る訳ないじゃん」
え、
「いくよ」
そう言った瞬間、ものすごい突風が吹いた。反射的に目を瞑る
そして少しの浮遊感があった後
恐る恐る目を開けると背景が変わっていて気づくと俺たちはアパートの前までに移動していた
一瞬何が起こったか分からなくてトトの足下をみてみると、そこにブレーキ痕に似たものと砂埃が…
「はい、着いたよ。中に入ろうか」
そう言って彼は俺の家の扉に向かって歩いていく
「え、お前何使ったの?瞬間移動…?」
「そんな能力、俺が持つわけないじゃん。
走ったんだよ」
「!?走ったっ…!?」
「うん」と軽々しく頷くトト
俺はその答えに呆然とした
(俺を簡単に持ち上げる怪力といい…化け物かコイツ…)
本当にこいつはただ者ではないということが改めてわかった瞬間だった
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