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教えて欲しいという言葉に照れたのか少し頬を染め頭を掻きながら「オラ、教科書貸せ」と言ってくる
なんだ
この変わりよう
俺が慌てて彼に教科書を渡すと、彼はそれを受け取りパラパラと捲ってあるページを指差す
「いいか。ここはなぁ……」
教科書を俺と彼の真ん中に置いて一緒に覗き込み授業を受ける
途中でわからない所があったら彼が教えてくれた
(なんだ、コイツ。教えるのめっちゃ上手なんですけど……)
スラスラと英文を読んでいき発音もちゃんとしている
まるで外国人も顔負けの発音力。
す、すげぇ……
知らなかったぞ
今時、名門校の不良はこんなにもレベルが高いなんて
もしかしたら前にいた高校の首席より頭がいいんじゃないか?
(さすが名門校なだけあるな………)
こうして俺は金髪不良くんに助けられながら共に授業を受けていった……
ーーーーー
「陽さん、ここって不良もレベルが高いんですね…」
「え?」
昼休み。俺は陽さんと一緒に食堂で学食を食べている
そして驚くことにここの学食は何を頼んでも無料なのだ。
俺は生姜焼き定食で陽さんはサンドイッチを食べている
「いきなりどうした?悠」
「いや実は今日、隣の金髪不良くんに教科書を貸したんですよ。
そこで分からないところとかあったんで教えてもらったんですけど、彼教えるのめちゃくちゃ上手で…!」
興奮したようにそれを話すと陽さんはその人物を理解したのか、「ああ。あいつね」と思い出したように言ってきた
「彼は如月 新太(きさらぎ しんた)っていってこの2学年の首席だよ」
「えっ……」
思わず箸に持っていた生姜焼きをポトリと落とす
(しゅ、首席だったのか。あいつ……)
「あいつ見た目と態度がアレだから勘違いされやすいけど、全然不良じゃないよ。
たぶん一回も喧嘩なんてしたことないんじゃないか?」
「えぇっ!?」
あんな身なりと態度だったからてっきり不良だと思ってた……
なんだ。金髪不良くんは不良くんモドキだったのか
金髪不良モドキくん……もとい如月くんは俺が初めて受ける授業の内容についてすべて分かりやすく、丁寧に教えてくれた
だが彼は休み時間が来るごとに何処かへいってしまう。
昼休みも一緒にご飯を食べようと誘おうとしたのだが真っ先に姿をくらまして何処かへいってしまった
毎回どこに行っているのかは知らないが、時間はまだあるし彼とゆっくり話せる時はいずれ来るだろうと思って俺は割り切った
そして陽さんを学食に誘い今に至るという訳だ
その後も如月くんのことで話題が盛り上がり昼ごはんを食べ終えると、陽さんは生徒会室で仕事をしてくると言ってそのまま生徒会室に直行してしまった
俺は暇になってしまったので昼休みが終わるまで校舎を彷徨っていると……
「ん??」
暇なあまり旧校舎まで足を運んでいってしまった俺は遠くにいる見知った人物を見て目を疑った
「……トト?」
だが、その後ろには誰かがいた
それも1人だけじゃない
思わず物陰に隠れてひっそりと様子を伺う。
どうやら彼の周りには高貴な格好をした少年や男たちがニヤニヤと笑いながらトトを囲んでいる
みんなそれぞれ着るものは違うがみんな胸元には必ずリボンが付いている
(ということは此処にいる奴らは全員ドール……?)
「おい、新入り。」
いきなり1人の美少年が腕を組みながら喋り始める
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