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その色気が増した低い中性的な声にズクンッと腰に響いた
わずかに笑う顔は少し大人びて見える
(やばい……。コイツ、男らしくなってきてる)
抱き着いた体制のまま俺たちは見つめ合った
「さて、俺は朝ごはんゆーまからもらったし……
ゆーまはまだご飯、食べてないんだろ?」
「お、おう……」
「じゃあ、朝ごはん食べないと……」
トトは俺を抱きしめたまま台所へ移動する
「え、……ト、トトさん?」
そして向かい合って抱きしめていた形を変えてトトが俺のお腹に手をまわし後ろから抱きしめる形に変わった
「ほら、俺がちゃんと支えてるからゆーまは早くご飯作りなよ」
「へっ……」
なに、このラブラブカップル状態は
後ろから彼氏に抱きしめられながら作る彼女みたいな……
でも足に力が入らないからトトに支えてもらわないとご飯が作れないのは正しい事で。
「そ、それじゃあ……遠慮なく?」
俺はトトの言う通りに台所で朝ごはんを作り始める
トトは俺の肩口に顎を乗せその様子を見ていた
簡単にトーストと目玉焼きをつくると皿に盛り付けコップに水をそそぐ。
「いいか、トト……。ちゃんと支えてろよ」
「はいはい」
これからテーブルにそれらを運ぶのだが、まだ足の力が戻っていない俺はトトに支えてもらわないと運べなかった
運んで椅子に座ろうとすると……
「……おい」
「ん?」
なんで俺が座る席にお前が座ってるんだ
しかも無表情で堂々と座っている
「いいからいいから」
「わっ……!」
ヒョイっと腕を引かれそのまま彼の上に座らされる
そして後ろからお腹に腕をまわされ、ギュッと抱きしめられた
「気にせずに、食べてて……」
いや、気になります
だけど、そこから彼は何も言わずただギュッと抱きしめているだけ
「……じゃあ、いただきます」
何を言っても無駄な気がしたので俺はそのままの状態でご飯を食べる。
黙々とご飯を間、トトの腕が離れる事はなかった
「ごちそーさまでした」
簡単な食事だったのですぐに食べ終わってしまった俺は食器をまとめる
(足は………よし、もう動ける)
足の力が回復したみたいで食器を片付けようとするがトトの手が邪魔で立てない
「おい、トト。この手を退かせ……」
後ろを振り向き、手を退かすように言おうとしたらトトはスヤスヤと寝てしまっていた
「……。」
安心したように寝る彼を見て俺はクスリと笑ってしまう
「たくっ、まだ寝たいなら寝てればいいものを…」
時間を見るとまだ朝の6時。朝起きるのが苦手な彼は普段なら7時に起きている
(きっと、いつもより早く起きた俺に何かを感じて慌てて起きたなコイツ……)
さっきは澄ました顔をしていたがきっと心の中は不安だったんだ
食器を片付けた後、俺は体重が重くなった彼を背負って頑張って寝室へと運ぶ
ベッドに乗せて布団を上からかけた
俺は制服に着替えて側にある椅子に腰掛ける
俺は彼が起きる時間になるまで携帯を弄り、静かに時を過ぎるのを待った
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