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理科の時間
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自分で言うのもなんだが、僕は比較的頭がいい方だと思う。
定期テストでの学年順位はいつも30位以内だし、ある程度の問題は説明を少し聞いたら理解ができる。
そんな僕の一番苦手な教科は理科だ。
複雑な計算式を自分で考えることが苦手である。
そして現在も頭を悩ませている。
「片瀬。 この問題を解いてみろ」
「…はい」
席を立ち、黒板の前へ行く。
どうしよう、とりあえず返事して前に来たはいいが、解き方がわからない。
どの公式に当てはめて考えればいいんだ...?
悩んでいると、コツコツとガラスを叩く音が聞こえた。
音がした方を見ると、僕のストーカーをしている奴の姿が見える。
また懲りずに授業中もストーカーしているのか。
ご苦労なことだ。
...ん?
あいつ、なんか携帯の画面の方をこちらに向けて...
式...?
すこし目を凝らして見てみる。
携帯の画面に書かれているのは紛れもなく、計算式だ。
もしや...
奴がこちらに向けて見せていた式を黒板に書いてみる。
「正解だ。 ここのところ、少し難しいからできるなんて凄いぞ片瀬」
奴の方を見ると、満面の笑みでこちらにピースを送っていた。
今回ばかりは感謝してやるか。
授業を抜け出して廊下にいることは黙っといてやろう。
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