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恩返しをする
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「おい、お前」
理科の授業で一応助けられたし、奴に恩返しをすることにした。
僕は売られた喧嘩は買うように売られた恩も返す義理堅い性格をしている。
その相手がたとえ、ストーカーであろうと。
「た、拓真!! 最近は積極的だなっ! 嬉しいぞ!!」
「勘違いをするな。 先刻の恩を返しに来ただけだ」
「恩?」
「手を出せ」
「えっ、ちょ、拓真きゅん積極的すぎてロマンティックが止まらない...トゥンクトゥンクしちゃう......」
口に手をあてながら目をキラキラとさせ、赤面をして「はわわっ」なんて言う俺より約5cmデカイ男。
とても気色が悪い。
やっぱり恩返しすんのやめようかな。
「お返しはいらないということでいいな?」
「あっ! ご、ごめ、ごめん! スイマセンでした!! お返し欲しいっす!! というか、拓真から貰える物ならなんでも欲しいです! そこら辺のゴミ屑でもティッシュでも割れたガラスの破片でも!!!!」
「ゴミ屑を期待しているところ悪いが、違う物をやる」
「ありがたき幸せ...!!」
ようやく手を出した奴の手に、握っていた物を乗せる。
「...飴? いちごミルク?」
「僕の一番好きな飴だ。 特別にやる」
「ーーっっ!!」
感極まって抱きつこうとしてくるコイツをぼくは颯爽と避けた。
恩返しはもうしたし抱きつかれる義理はないからな。
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