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ラブレターを貰う
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朝、自分の下駄箱を開くと、僕のスリッパの上に一つの便箋が置かれていた。
またか...。
ため息をつきながら、その手紙を取る。
やけにまるっこい字で"片瀬拓真くんへ"と書かれている。
「江本」
「お、おう!? 今回は結構上手く隠れられたと思ったのにな...まさかバレちまうとは...。 朝っぱらから拓真は素敵だな! 日の光が拓真を照らしていて神々しいぜっ!」
「ストーカーするうえにラブレターなんぞ仕込むな。 気持ちが悪い」
「あっちゃー! 俺からのだってバレてた? 字体変えたのに!」
「お前以外に僕にラブレターを送る奴などいない」
「うわあああ! 丹精込めて書いた手紙を本人の前で破いた! まさに下衆の極み!!! せめて中身読んでから破いてっ!」
「紙の無駄だ。 今度入れたら焼くぞ」
「しゅ、主語がないけど...焼くって手紙だよな!? 俺じゃないよな!?」
わあわあ騒ぐ江本を置いて僕は教室に行くことにした。
うるさい奴だな。
本当に迷惑だ。
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「はーあ...拓真ったらほんと、鈍感で可愛い.........」
俺は破かれたラブレターの破片を拾い集め、ゴミ箱に一枚残らず入れた。
自然と俺の顔に笑みが浮かぶ。
「拓真、自分が容姿端麗でモテてることなんて全く気付かないよなぁ。 この手紙、俺が書いた物じゃないって知ったらどうするんだろ」
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