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家庭科の時間
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今日は調理実習をしている。
作る物はパウンドケーキ。
僕は料理は結構好きな方だ。
そのおかげで、パウンドケーキは無事に完成した。
「拓真ー!!! パウンドケーキくれー!」
さすが僕のクラスの時間割を全部把握しているだけある。
家庭科の時間が終わると、江本は待ってました! と言わんばかりに僕に駆け寄ってパウンドケーキを寄越せとせがんできたのだ。
というか、お前授業はどうした。
また抜け出したのか。
それか、終わったと同時に速攻で出てきたのか?
「お前にやるパウンドケーキなどない」
「ま、まさか......もう全部食べたのか!? 拓真の手料理が食べられると思って、昼飯買う金持ってこなかったというのに...!」
「僕がお前なんぞにパウンドケーキをやると思ったのか? そしてもしあげたとしてもパウンドケーキは量が少ないから昼飯の代わりにはならないぞ?」
「うっ...うう...腹減ったぁ......」
全く。こいつは本当にどうしようもない馬鹿だな。
仕方が無い...僕は教室へと戻る(勿論、江本は勝手に僕の後ろをついて来ている)と、鞄から購買で買ったパンを取り出し、江本にぶつけた。
顔面にクリーンヒット。
「ぶふっ! えっ...これ......」
「勘違いをするな。哀れに思ったからやるだけだ」
「た、拓真ぁ...! 典型的なツンデレだな!!! 俺の心がっしり掴まれちゃったぞ!!! 今度は俺がお前の心をハートキャッチしちゃうからなっ☆」
「気持ちが悪い」
本当に、ただ哀れに思っただけでパンをやったことには深い意味などない。
それに、あのパンは小腹が空いたとき用ので昼飯は別にあるからなくなっても構わないからな。
決して好意的なものではない。
断じて。
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