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昼休みの時間
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昼休みの時間、僕が弁当を広げていると、どこからともなく江本が現れた。
神出鬼没すぎて怖い。
「拓真ー! 今日の弁当はアスパラベーコンが入っているんだな!」
「お前はどこから湧き出たんだ?」
「拓真がいるところならたとえ火の中水の中土の中森の中拓真の家からでも出てこれるぞ!!!」
「僕の家から出てきたそのときは何があろうと警察に通報するからな」
「つ、通報...!? 通報されるようなことなんて俺は一切してないけど!?」
「それは本気で言っているのか?」
変態でストーカーだという自覚がないのかコイツは。
ため息をついた後、僕はアスパラベーコンを口に運ぶ。
その途中で江本にアスパラベーコンを食べられた。
「......オイ」
「んん〜! 拓真のお母様が作るお弁当はベリーデリシャス!!」
「吐け! 吐き出せ! 僕のアスパラベーコン!!!」
「えっ...! もしかして、俺が吐き出したらそのアスパラベーコン...拓真が食べ......あがあああ!!? ほほ! ほほひっはんはひへ!!!(訳:頬! 頬引っ張んないで!!!)」
「僕が毎朝早起きして作ってる弁当だぞ!! そうやすやすとお前に食べさせてたまるか!!!!」
「ふへ...?」
江本の頬を掴んでいた手を江本に外された。
なんだコイツの馬鹿力。
ゴリラかよ。
ゴリラ腕力・江本は頬が解放されると、僕と弁当を何度も何度も見比べて驚いた顔をしていた。
「なんだ」
「べ、弁当って...拓真...いつも手作りしてるのか...!?」
「そうだが。 ...それがどうした」
「きゃっ...! 家庭的なのね! 修哉くんの中の拓真の好感度がまた上がったわよっ! ヤッタネ!」
「僕の中のお前の好感度は会うたびにだだ下がりしているがな」
心底うんざりした顔を向けてから、僕は弁当の残りを食べた。
江本が口を開いて、あーん♡なんて言っている間抜けヅラは完全スルーしてやった。
というか、僕はまだアスパラベーコンの恨みを忘れていないぞ江本ゴリラめ。
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