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弁当を渡す
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昨日の約束通り、僕は江本の分も弁当を作った。
「はい」
そう言って手渡そうとすると、江本はなぜか不満気な表情でこちらを見て、うーん...と唸っていた。
「作れと言ったのはお前だろう。 早く受け取れ」
「なんか、違うんだよなぁ...」
「何がだ」
弁当の中身を見てもいないのにそう否定的な反応をされるとは思っておらず、なんだか腹が立ってくる。
なんなんだコイツは。
恩を仇で返すスタイルか。
「なんというかさ、こう...「愛情込めて作ったのよ、貴方♡」っていう新婚夫婦みたいな手渡し方をして欲しいなと...」
「ふざけたことを言っているとお前の分の弁当も食べるぞ」
「ひい! ごめんなさい! 贅沢言ってごめんなさい!!」
泣きそうになりながら言う江本を見て、ため息が漏れた。
馬鹿と天才は表裏一体と言ったところか。
「愛情は特に込めていないが、栄養は込めた。 残さず味わって食べろ」
「栄養より愛情が......」
「弁当没収ということでいいな?」
「ごめんなさい」
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