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物を貰う
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「拓真! 目ェ瞑って、手ェ出して!」
手を後ろに組み、にこにことしながら僕に言ってくる江本。
嫌な予感しかしない。
「断る」
「なんでだよ!」
「どうせ、なにかセクハラをしてくるのだろう。 そんなあからさまな罠にハマるほど僕は馬鹿ではない」
「違う違う! セクハラなんてしないから! 本当に! 命賭けるから!」
江本が命賭けるなんて言ったことは今までなかった。
...少しは信じてやってもいいか。
もしセクハラしてきたら殴ればいいし。
そう思い、僕は警戒しながらもそっと手を差し出してから目を閉じた。
少しすると、江本の手が僕の手の上に乗る感覚がした。
その後、なにかが僕の手の上に乗せられた。
「目、あけていいぞー」
江本のその声を合図に目を開けると、僕の手の上にはたくさんの飴が乗っていた。
いつだったか...僕が授業で先生に当てられたときに江本が助けくれて、そのお礼としてやった飴と同じ種類の飴だ。
「これは...」
「拓真、この飴好きだって言ってただろ? だからあげようと思ってな!」
僕が好きだと言っていたことを覚えていたのか。
「.........ありがとう...」
「...!? たっ、拓真! いま物凄く可愛い顔した!!! 可愛い!!! ちょっ、そっぽ向かないで!! もっとその顔俺に見せて!!!」
「断る」
「Please show me!」
「流暢な英語で頼まれても嫌だ」
恥ずかしがる拓真すげー可愛い! 可愛い!!
その日は一日中ずっとそう言われ続けた。
恥ずかしいうえに目立つ。
馬鹿江本。
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