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告白される
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江本と距離をおいて数日。
江本は僕のストーカーをしなくなった。
僕のお願いをきちんと聞いてのことだろう。
あんなことを言ってもしつこくストーカーするんじゃないだろうかと心の何処かで思っていたため、最初は驚いた。
前に江本がいなくなったときに不安になって、怒ったりなんてしてしまったが......今度は逆の状態になっているな。
文句の一つも言わず、僕との距離をおいてくれた江本には有難いと思っている。
そして、申し訳ないとも思っている。
でも、こんな変な感情のまま江本と面と向かう勇気が僕にはないのだ。
「片瀬くん...ちょっと、いいかな?」
放課後、廊下を歩いていると、女子に話しかけられた。
僕の名前を覚えている学校の生徒が江本以外にいたんだな。
驚きである。
しかし、僕のクラスにこんな女子はいただろうか...?
申し訳ないが、僕は覚えていない。
「どうかしたのか?」
「えっとね...その...私、片瀬くんのことが好きなの。 ...私と付き合ってください」
顔を赤らめてそう言ってくる女子生徒。
江本以外に告白されるのは初めてだな。
しかし、感動なんてしない。
全然心が動かない。
江本に言われたときはどうだっただろうか...。
『好き、好きだ。拓真...』
抱きしめられたときに江本に言われた言葉を思い出す。
すると、心拍数がやけに早くなった。
...ああ、そうか。
僕はどうやら...
「...ありがとう。 ......気持ちはありがたいのだが、僕は... 「ちょっと待ったーー!!」
告白してくれた女子生徒には悪いが、お断りさせていただこう。
...としたところで、遠くから聞き慣れた...元ストーカーの声が聞こえてきた。
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