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引っ張り合いをする
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突如現れた江本に、僕も目の前の告白してくれた女子も驚いていた。
「江本...?」
「はぁっ...はぁっ......ふぅっ」
息を整えると、江本はにやりと悪戯っぽい、楽しそうな笑顔に表情を変え、僕の肩をいきなり引っ掴んできた。
どきんと心臓が跳ねる。
「江本? どうし...」
「はっはーッ! 残念だったな! 俺と拓真は深い深いLove Destinyで結ばれているんだよ!! らーぶらぶの恋人同士なんだよ!! 邪魔者は帰れ帰れ!!」
高らかに笑い声を上げながら、江本は大声でそう言った。
恋人同士?
そんな事実、等の本人である僕も初耳だ。
目の前の女子なんて一瞬白目向いたぞ。
僕の肩を掴む江本の腕は震えていた。
「......」
「なっ、何言ってんのよ! あんたら、男同士よ!?」
「それがどうした?」
「え...」
「俺の拓真への愛はなぁ!! 性別まで飛び越えるんだよッッ!!!!」
そう言う江本はやけに輝いて見えた。
心拍数が乱れて、顔が熱くなって、触られているところもやけに熱い。
...そうか。
やっぱりな。
江本、やっと答えが出たぞ。
「江本...」
「...ん? ど、どうした?」
僕に"恋人同士ではない"と女子にバラされるのを恐れているのか、江本はさっきの笑顔に少し焦りを見せながらもこちらを向いた。
江本の制服の襟を掴み、今度は僕が江本を引っ張った。
江本と僕の距離が0センチ。
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