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大切なものを知る
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「拓真〜! 好きだッ!!」
「うるさい」
相変わらず江本修哉は片瀬拓真のストーカーをしている。
まあ見てわかる通り、江本修哉は片瀬拓真のことが恋愛的な意味で好きなのだろう。
恋愛の形は様々だから、偏見は持っていないが...ここまであからさまなのもどうかと思う。
片瀬拓真も迷惑しているようだしな。
「も〜、照れちゃって! 可愛いなぁ、拓真!」
「うるさい黙れ」
...いや、嫌がってるのではなくて、江本修哉の言うとおり照れているだけなのかもしれない。
「拓真♡ 好き好き♡」
「わ、わかったから...やめてくれ」
「照れる拓真もぎゃんかわ!!」
「いい加減にしろ!」
所謂、バカップルというやつか。
羨ましいなんて微塵も思わないが、とりあえず爆発してしまえ。
...僕なんて、学年順位で1位になれなくて両親にいつも怒られているというのに......。
腹が立つ。
なんで、この僕が能天気で馬鹿そうなあいつに苦しめられなくてはいけないんだ。
......そんな苛立ちの中ふと思った。
あいつの大切なものをぶち壊してやりたい、と。
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