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からかう
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「椎名は携帯を持っていないのか?」
「う〜ん、ごめんね。 電池切れみたいなんだ」
こんなまたとないチャンス、逃すはずがない。
僕の携帯を持っている上に、電池はまだ80%以上ある。
しかし、それを片瀬拓真に言ってしまったら2人きりでの密室の状態になれなくなる。
だから嘘を吐くことにした。
「そうか...ならば、体育館の窓などで脱出することは出来ないだろうか」
僕の言うことを信じた片瀬拓真は次の案を話し出した。
非常事態にも焦りを見せないクールさ。
なるほど。
女子がきゃあきゃあ騒いでいた理由がわかった。
女子にモテているのだから、よりどりみどりのはずなのに...よりによって何故あの江本修哉なんだ...?
純粋に、疑問に思う。
「片瀬くんって、江本くんと付き合っているんだよね?」
「...!?」
クールだった片瀬拓真の表情に驚きと焦りが見られた。
「あの馬鹿が言いふらしたのか...!!」
「いや、江本くんからは何も聞いていないよ。 僕の推測さ。 いつも仲良さそうだったから、そうなのかなぁ...と思って」
「そっ、そうだったか...成る程」
焦った表情から、ほっとした表情に変わる片瀬拓真。
ずっと無表情だった片瀬拓真がころころと表情を変える姿がなんだか面白くて、もう少しこのネタでいじることにした。
本格的な悪戯はこの後で。
さしずめ、料理で表すと前菜といったところだろうか。
メインディッシュはもう少し後。
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