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黒髪高校生と金髪大学生 02
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◆
「はぁぁ……」
俺はカウンターの中で深い溜め息を吐いて、手に持ったシャンパングラスの水滴を丁寧に拭き取る。
こんなに気分が落ちてもきちんと業務をこなす自分は偉いなぁと心の中で自画自賛してみた。
時計を確認すると勤務時間は残り30分くらいだ。
帰りにコンビニでなんか美味いもん買ってこうかなー…。
「こら田宮くん」
ぽすっと背中に何かが当たる。
振り返ると、同じバイトで大学生の芦川(あしかわ)さんがトレンチを持って立っていた。
さっき背中へ当たったのはこれみたいだ。
「顔、暗すぎるよ。まだお客さんもいるんだから」
「あっ…すみません……」
くすくすと苦笑いして、芦川さんは金色の髪を揺らしながらカウンターの奥に行く。
冷蔵庫の扉を開けてごそごそしている。
指摘されるほど酷い顔してるとは予想外だ。
やっぱダメージでかいんだなぁ……。
「なんかあった?」
「ん、あー……えっと、フラれました、あははー…」
このレストランでバイト始めて早半年。
芦川さんは古株で、確か今年で5年目とか言っていた。
よくシフトが被る彼とは仲も良いし、さすがに深いことまでは言えないけれどサラッと世間話みたいなノリで話す。
「えっほんと?告ったの?」
「やー……相手のこと一方的に好きだったんすけどぉ、一昨日そいつに、カノ……カレシ出来たって言われてぇ……」
「あー…。そりゃあへこむよねぇ」
「あはは…そーなんですよ……」
うわ危なかった。
うっかり俺の秘密暴露するとこだった。
芦川さん全く気付いてない、良かった。
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