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黒髪高校生と金髪大学生 06
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「じゃあ、お疲れー」
チン、とガラスが当たる軽い音。
同じタンブラーグラス。
俺はコーラで芦川さんは赤ワイン。
俺のペットボトルのそれをわざわざグラスに移してくれたとこに育ちの差を感じて、また卑屈になりそうだ。
テーブルには買ってきたおつまみを並べて、なんだか大人の飲み会みたいで緊張する。
「あー…これうめーわ…」
芦川さんが赤ワインに感嘆している。
うぉ、この人もこんな言葉づかいすんだな。
いつも丁寧に喋ってるから意外だ。
「これ店長がね、ハタチのときのお祝いにくれたんだ。はは、二年熟成」
「へー…えっ!?じゃ……芦川さんって22っすか!?」
「ん?そうだよ。大学入ったの去年だから今2年だけどね」
「大学生なのは知ってたっすけど、25くらいだと思ってました……」
あはは、と声をあげて笑われた。
早くもグラスを空にして二杯目を注いでいる。
「そんな老けてる?」
「そういうんじゃなくて、雰囲気が落ち着いてるっていうか……大人っぽいっていうか」
んでそれが俺には超眩しいです。
ちなみにさっきからあなたの金髪が電気でキラキラしてなんかもう物理的にも眩しいです。
「大人かぁ」
芦川さんは、ふっと視線を下げた。
「オレはまだまだ子供だよ…」
再び視線が合ったとき、ついドキッとした。
ムラが無くて真っ直ぐで、もみあげと襟足が少し長めの金髪。
青いストライプシャツに黒のジーンズ。ラフな格好でもばっちり似合ってる。
仕事中の接客用とは違う穏やかな表情に酒のせいか少し赤い頬。
あー…男のくせに綺麗だな……この人。
横で高校の制服着てコーラ飲んでる自分が恥ずかしく思えてくる。
「俺もパツキンにしよかな…」
「えー田宮くんは黒髪が似合うよ。そのままのがかっこいい」
そんなことを笑顔で言われてちょっと気分が高揚する。
社交辞令かもだけど、やっぱかっこいいとか嬉しいじゃん。
しかも自分よりかっけー人に。
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