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弱音と本音 05
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キス、されてる。
目の前の金髪と、唇のこのなんともいえないアレな感触。
事態が飲み込めない。
ただ、芦川さんまつ毛なげーなとか、口を閉じていてもアルコールの匂いがするんだなー…なんて呑気なことを思った。
音もない触れるだけの短いキス。
芦川さんはすぐに顔を離した。
なんかこの人、今にも泣きそう。
「……ごめん」
「…あっはは……。芦川さん、ハイパー酔ってますね……」
なんか言わなきゃと思ってそれっぽいフォローをしたのだが、芦川さんの表情は変わらない。
「田宮くん……ごめんね。オレ駄目だ」
芦川さんはソファに仰向けになって片手で目元を抑えた。
はぁ、と彼の吐息が聞こえる。
から、と氷が鳴った。
「好き」
小さくて震えた声だった。
時間が止まったような気分。
えっ、てか、え、マジで?
芦川さんもそっち側なの?
頭の中が大混乱。
「芦川…さん……」
「――……」
ふいっとあっちを向いてしまった。
肩が微かに揺れている。
…どうしよう。
なんか、嬉しいんだけど……。
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