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恋慕と秘密 05
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あー…めっちゃいい匂い。
これだよこれ。芦川さんの匂いだ。
そっと背中に回された腕に、更に幸福感が満ち溢れてくる。
「ちょー…会いたかったっす……」
「ん、オレも…」
ちらっと壁にかかる時計を見やる。
……時間は大丈夫だな。
「芦川さん、キスしたいです」
俺がそう言うと芦川さんの目が泳いだ。
視線がたっぷり部屋を一周してから俺に戻ってきて、また合う。
そしてふっと下に逸らされた。
「……勃っちゃうから駄目」
色んな意味で目の前が真っ暗になった。
と思ったら、不意に両肩をガシッと掴まれた。
若干身体を屈ませながら引き寄せられて、目を閉じた芦川さんが顔を近付けてきて……。
えっ。
ちゅっ、とリップ音が鳴った。
ふにゅっと柔らかいのにぷるっと弾力があって…。
触れるだけでも舌を絡める深いものでもない、――甘さを凝縮したようなキス。
「い、今はこれだけっ…!」
なん。なんなんだもう。
心がわしづかみどころか握り潰されたみたいだ。
可愛いとか越えてる。
きっと芦川さん的に、今のはスキンシップの延長なんだろう。
ちょっと手を繋ぐとかと同じ。
ただの、ちょっとしたイチャつきで……。
でも俺にはこれをその程度で受け止める余裕が無いのだ。
……だから、俺は芦川さんを壁に押し付けた。
斜め下からじっとり見つめて、両手で芦川さんの頬を包む。
「足りないです」
「っ、かず…」
「足りねー…」
ぬるり、芦川さんの唇を舐めた。
足りないから、ください。
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