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恋慕と秘密 07
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ま、勿論そのままずーっとそこでちゅっちゅなんか出来ないわけで…。
遠くからカツカツ廊下を歩くヒール音が聞こえ、俺たちは慌てて距離を取って口を拭う。
「おっはよー!あらぁ、二人とも早いわね!」
「あ、はは…、おはよ……」
「お、おはざーす……」
間もなく扉が開け放たれ、同じくバイトの伊藤さんが入ってきた。
あっぶな。でもヒール履いててくれてありがたかった…。
これが足音のろくに鳴らないスニーカーの人だったりしたら、気づくのが遅れて確実に見られただろう。
「今日も頑張ろうね~!」
明るい伊藤さんの声に、あぁそうかこれからバイトか…とヘコむ。
早く終わらせんぞ……。
===
さすが金曜日だけあって、店は混んだ。
フロアは21時を回って団体客が数組来たため、いまだ賑やかでごった返している。
先週は割と暇だったのにな…。
しかし仕事前にあんなことをしたにも関わらず平常心できちんとミスもなくやりとげた自分は誉めてやりたい。頑張ったぜ俺……。
同じく仕事前にあんなことをした芦川さんは、流れるように出てくる伝票を素早く対処しどんどん処理していた。
うわすげぇ完璧だ。
あの前じゃ俺なんか霞むわ……。
「田宮ぁー上がっていいぞー」
「うっ、あ…はい、お疲れ様です……」
「お疲れ様田宮くん!気をつけて帰ってねー!」
店長と伊藤さんに挨拶されたはいいが…。
今日、芦川さんのシフトはラストまで。
俺それまでどうしたらいいんだ?
困ってちらっと芦川さんを見ると、ちょいちょいっと手を動かして俺を呼んでた。
傍に行くとこっそり話しかけられる。
「オレのね、鞄開けてチャック付いてる内ポケットに鍵あるから。先帰ってウチで待ってて」
……マジで!?
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