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飢えと渇き 11
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ずる、と抜くと、どぷっと大量の精液が溢れ出てきた。
……前回よりも遥かに犯罪臭がする。
芦川さんの頬には乾いた涙の跡がいくつかあって、前髪や襟足は汗で肌にぺっとり貼りついている。
無理させたなんてレベルじゃない。
だんだん冷えてくる頭で周囲を見回す。
「さ、て……」」
見境なしに襲うのは良くないと今更ながら思った。
彼のこともそうだが……、
……後が大変だからだ。
芦川さんは華奢だが小柄ではない。つか俺よりでかい。
だから漫画のように眠った彼女をお姫様抱っこで颯爽と……なんてのは残念ながら出来ない。
芦川さんの靴を脱がせて、身体の向きを変え正面から抱きつく体勢になる。
頭と腕は背中に回して、尻の下あたりをがしっと腕で支え、必死に抱き上げた。
俺としてはひょいっと担ぎ上げるイメージだったんだけどやはり体格の差はどうにもならないわけで……。
軽いけど、成人男性はやっぱそれなりに重い。脱力してるし尚更。
彼の足に引っ掛かってるジーンズを引きずりながら浴室へと向かった。
乾いたタイルの上で芦川さんを脱がし服は脱衣場に投げる。
家で待ってる間に浴槽にお湯張っとけば良かったな。今度からそうしよう。
俺も全裸になって、後ろから芦川さんを抱え直しシャワーのコックを捻ると狭い浴室にぶわっと湯気が充満する。
温かい水流を孔に当てるとトロトロと白濁が流れ出た。
指を浅く突っ込み俺が吐き出したものをナカから掻き出していく。
ボディーソープを泡立ててから、この白い肌をネットで擦るのは気が進まなくて掌で洗った。
泡が目に入らないように頭を上げて、片手でシャンプーしてリンスして。
優しく、丁寧に動作を行う。
「ん……」
俺が自分の身体もついでに洗っていると芦川さんは小さく身じろぎをしたがすぐに腕の中へと戻る。
……綺麗な顔。
不思議と今は変な気が起きない。
いやさっきまでヤってて今こんな状態の人襲いたいとか思わないのが普通だろうけど!
危ない欲求ではなく、今抱いているものは幸福感だった。
濃く確実な行為と対極の、淡く儚いような漠然とした幸せを感じ、酔う。
柔らかな唇にキスをして、緩く抱き締めた。
芦川さんの顔を見てると言い知れない感情が込み上げてくる。
これは恋なのか、愛なのか。
それとも両方だろうか。
浮かれた問いの答えは分からない。
また、鼻の奥がツンとする。
さっきは我慢したけど、今はいいよな。
「好きだよ…芦川さん……」
シャワーに紛れ、俺は愛しさに泣いた。
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