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夜と朝 09
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「――かぁずまくん?」
「んーあー…? あ゙ー……。へ!?うわっ!?」
「ふふ、おはよ」
「う、あ、ぁーマジ……あー…」
眠りから引っ張り出されて、重い重いまぶたを開くと芦川さんの顔面どアップ。
そういう方向からの寝起きドッキリはやめてほしい。心臓に悪い。
「いまーなんじ……」
「8時過ぎたとこ。起きる?」
「ん~…えー…」
ばふっと枕に埋まってうだうだしてると、だんだん頭がぼんやりしてきて、また微睡み始める。
駄目だあと10時間寝たい…。
そんな俺の髪に指を通して遊ぶ芦川さんが、朝っぱらから可愛い。
「和真くんほんと朝可愛いよね」
「っるせー……アンタのがハイッパー可愛いつーの……」
なぜか手が止まってしまった。
芦川さんに髪とか頭触られるのけっこー気分いいんだけどなー。
こめかみに柔らかいものが当たって『あ、キスされた』って思った途端に横の温もりが無くなってしまう。
いやいや、ちょっと。
「……どこ行くの」
「オレはもう起きちゃおっかなって。和真くん二度寝していいよ?」
「…やだ。起き、…ます」
なんとかベッドから這いずり出て立ち上がり、欠伸をする。
ねっむぅ…。
頭をぼりぼり掻いて身体捻って、やっと目が冴えてきた。
シャッとカーテンが開けられ朝陽が差し込んだ。
起き抜けの芦川さんの金髪はボサついてて、緩い服のせいでいつもよりだらしない雰囲気。
でもそんなとこも可愛いなって思えてしまう。
スウェットの裾を引き、背伸びをして彼の唇に自分の唇をちょんっと触れさせた。
さっきのキスのお返し。
「…おはようございます」
「う…、うん!」
芦川さんはかーっと顔を赤くして、わたわたと寝室を出ていってしまった。
ほんと照れ屋なんだか大胆なんだか……。
ニヤニヤしながら俺も後を追った。
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