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はじめてのおふろ-3
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麗を入浴させるために必要な場合ものを揃え、浴槽にお湯を張った。
「よーし、大体オッケーかな~?麗くんだけを入浴させてあげてもいいんだけど、毎日一緒に入っちゃった方が楽だと思うからそれでいいよね?」
「俺に子育てはさっぱりだからそれで構わない」
「うん、分かった~。
それにしても...」
山瀬は獅琉の腕の中にいる麗を見下ろす。
「麗くん、泣き止まないねぇ~」
麗は目覚めた時から相変わらず泣き続けていた。
「うぅぇぇっ...、ふぇ...っううぅ」
死んだ様に眠っていた麗のどこにこんな元気が残っていたのだろうか。
「獅琉の顔が怖いんじゃない?」
「殺す」
「ほら怖い~!」
「くだらねぇこと言ってねーでとっとと終わらせるぞ」
「はいはい~。じゃあ麗くん預かるね~獅琉は先お風呂入ってて。準備できたら連れて行くから」
「ん」
「あ~...ちっちゃいかわいい...!」
本人は泣いてるけどな。
麗を抱いてにやにやしている山瀬を横目に獅琉は浴室へ向かう。
広い脱衣所で服を脱いでいると、鏡に写った自分の体が目に入った。
成人男性の平均身長よりも遥かに高い身長に、程良く鍛えられているその体。
母親のような柔らかさがあるわけでもなければ丸みがあるわけでもない。
腕にはしっかりと筋肉がついているし腹筋も割れているのだ。
今から子育てしようっていう人間の体じゃねぇよなぁ...あんなに小さくて弱い麗なんか少し力入れただけで潰れるんじゃねぇの?
「あ...」
そういえば、背中に刺青...
獅琉の背中には自身の名前の由来でもある獅子が彫られている。
一目で真っ当な世界の人間ではないと分かるそれは獅琉の背中で存在感を放っていた。
これは確実に教育上宜しくないよなぁ、と獅琉は苦笑する。
いつか麗が大きくなった時にこの背中とか職業とか聞かれんのか...
俺は別に今の立場に不満はねーけど、麗はどう思うんだろうな...
「獅琉?早く準備してよ~、麗くんが冷えちゃう」
ふと考え込んでしまった獅琉はリビングから聞こえた山瀬の声で我に返った。
「あー...悪い、考え事してた」
「もー、しっかりしてよねー」
「ああ」
今ぐだぐだ考えたってどうにもならねぇ。
いつかそん時が来たら考えりゃいいか。
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