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ぬくもり
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「ただいま...」
玄関を開けるとハルの鳴き声が聞こえた。しかも俺らが集まる広間から。
「ハヤト」
ケイトが俺が帰って来たのに気付き広間である部屋から出てきた。
「ハルは?」
「...泣いてて何言ってっか分かんねぇよ」
「悪いな迷惑かけて...俺のせいで」
「謝るとか...お前キモいw」
「おいw」
軽く背中を叩くとゲラゲラ笑い始めた。そうしていると広間の襖が開き、そこからユキの叫び声が聞こえた。
「待って、ハルちゃん!」
姿を現したのは涙で顔いっぱいにさせたハルだった。俺は思わずしゃがんだ。
「ハル......」
「ハャ...ハヤトっ......ハヤトー!」
そう言うと思いっきり涙を流し俺の元へ走ってきた。俺に抱きつき俺の肩に顔を埋めて声をあげ泣き出した。
「ハル、ごめん...俺が」
「ぢがうの...!」
「えっ?」
「バヤト...悪ぐない!おでが無視じだがら」
身体を離すと鼻水をすすりポロポロ泣くハルがいた。
「いや、俺が悪かった。俺忘れてたんだ今日何の日か」
「ぞう...なの?」
「あぁ。だからお前が謝ることじゃねぇよ?」
「ほんと?」
「あぁ」
「そっか...」
ハルは目やら鼻やら服の袖で拭い、笑顔を見せた。
「お前立派になったな?」
「だって俺、もう5年生だもん!!」
さっきの弱々しいハルは消え、初めて見る元気な小学校のガキのハルの姿だった。
「ハヤト!」
「ん?」
「誕生日おめでとう!」
ハルからの“いつもありがとう”の汚ねぇ手紙と今までにないぬくもりを組の奴らと過ごし
俺は20を迎えた。
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