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ただただ浮かぶ走馬灯
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自分の席に着くとタイミングよく予鈴が鳴った。
「うわ、波人。お前ひでぇ顔してんな。目ぇ腫れてるぞ。」
教室に泣き腫らした波人が入ってくるなりクラスメイトの一人が言った。
「また利來に泣かされたのか?」
波人は無言で席に着く。
「遠江くん、酷い。」
「ねぇ、毎回河原くんを泣かせてさぁ。」
女子たちが口々に俺の悪口を言い、教室がざわつきだす。
「授業始めるぞ~。」
教師が入ってきた途端、教室が静かになった。
教師は一瞬波人に目を向けたが、いつも泣いているので気にも留めず授業を始めた。
教室には教師の声と黒板チョークで書き込む音と生徒がノートを取る音が響いている。
しかし、俺には授業なんて頭に入ってこない。先ほど波人に浴びせた酷い言葉を思い出し、後悔しながらただ聞き流し、板書をただノートに写していた。
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