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大好き。
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呼ばれて振り返ると波人が抱き着いてきた。
「僕もりっくんの事が好き。大好き。」
波人の告白に思考が付いていかない。
「嘘だろ…?お前はいつも嘘泣きば…」
「嘘じゃないもんっ!」
波人が強気の口調で言う。
「りっくんはさ、何で僕の嘘泣きは見破ってくれるのに本当の気持ちは分からないの?」
初めて見る波人の真剣な眼差し。
「これなら分かってくれるでしょ?」
ぐっと俺を引き寄せると背伸びをしてきた。
波人が目を閉じた刹那、唇が触れ合う。
「僕は本当にりっくんが大好き。もっと触れたい。」
…俺は波人の事を考えすぎて白昼夢を見るようになったのか?
いや、違う。これは現実だ。
「からかってないよな?」
素直になれない俺はつい、こんな事を言った。
次の瞬間、波人は照れて逸らせた俺の顔を自分の方へ向けた。
「ちゃんと目を見て言って。」
火照っている顔が触れられてもっと熱くなる。
「僕が嘘をついているように見える?」
波人の目は真っ直ぐで、俺の目を、俺を、俺の心を見つめていた。
「僕、りっくんが好き。」
俺に腕を回す。
「…俺も。」
恥ずかしくて素直になれない俺の精一杯の返事だった。波人はそんな俺に応えてくれる。
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