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葉桜の下で。
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葉桜が増えてきた。
「りっく~ん!」
背後から近づいてくる影が。避けようとしたが一歩遅く、腰の辺りに手を回された。
「おはよ!」
振り返るとにこにこしている波人がいた。
「公衆の面前で…。お前、本当に泣かすぞ。」
朝からこのテンションはうざったいので脅しておく。
「やれるもんならやってみなよ。僕もりっくんを鳴かせちゃうからっ。」
「それ、色々と意味が違わねーか?」
へへへへと笑う波人はあれからちょくちょく皮肉を言うようになり、俺と二人だけの時は泣かなくなった。
「あのね、りっくん。」
お得意の上目使いでこちらを見る。
「大好き。」
そんな波人に笑いかけ俺も気持ちを伝える。
「知ってるし、俺も波人の事が好きだ。」
「本当に?」
眉を八の字にしている。
「嗚呼。」
波人は満足そうだ。
そして俺たちは、笑い、頬笑みあい、乳繰り合いながら煌めく葉桜の下を今日も歩いた。
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