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新学期
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ホームルームが始まり、
俺達の担任が来て時間が進み一人一人自己紹介が終わっていった。
俺達のクラスは明るいやつも多くて
担任の竹ちゃん先生も明るく若い男性教師でクラスは初々しさを残しながらも少しずつ打ち解けていた。
真新しい制服に身を包んでまだまだ幼さが残る俺達の入学式も気づけばあっという間に終わり
クラスに散らばって行く途中
やっぱり女の子の視線は陽ちゃんに向いていたけど当の本人は桜に見惚れてそんな視線に気づいていない
挙句に
「さっきハル、かっこいいって言われてた」
なんて見当違いもいいとこな事を言い出しちゃって、本当少しは自分の魅力を自覚して欲しい
そのかっこいいは俺じゃなくて間違いなく陽ちゃんのことなのに当の本人は全く気付かずの鈍感だ
クラスに戻ると、
明日からの授業のことや五月にある遠足の一泊二日の遠出のことについて一時間かけてホームルームをするだけで皆自由だ
ちらほらグループも出来て居るところもあり
俺は椅子を陽ちゃんの隣に持っていって一緒にプリントを読んでいた。
すると、赤髪のふわふわパーマが似合っている目がくりくりとした可愛い顔立ちの男と、それに反して短髪に綺麗な一重の涼しげな目もとが印象的なスポーツをしてそうな男が俺達の前で止まった
視線を感じ何かと目線を上げると
赤髪の可愛い少年が眩しいほどの笑顔を浮かべて声をかけてきた
「はじめましてぇ!2人とも背高いよね!僕バスケ部入りたいんだけど2人ともどうかなぁ?」
パタパタと尻尾が見えてくるような甘い笑顔と、口調でそう聞かれる
「え?バスケ部?」
「俺はサッカー部入ろうと思ってる、ごめんね」
「そうなんだぁ…えっと隣の君は?ていうか名乗らずに失礼だよね!僕は布施 楓磨で、こっちのぼーとしてるのが新堂 龍だよ!」
「あっ俺は岡田悠叶、よろしくね!それでこのサッカー少年は小日向陽!俺の幼なじみなんだ」
「よろしく」
そう一言だけ口にして、無表情な顔に少しだけ笑顔を乗せて陽ちゃんが挨拶をする
陽ちゃんは確かに一見ポーカーフェイスだし無表情な事が多くて冷たそうに見えるけど
中身はその真反対だ
面倒見はいいし優しいし可愛いし可愛いし
喋り方だっておっとりしていて可愛い
兎に角俺にとっては陽ちゃんは世界で一番大切な人に変わりない
「なんだか太陽みたいだねっ!太陽ってよりは暖かいひなた?日差し?キラキラしてる感じで名前好き!」
「そんなこと言われたの初めて、ありがとう」
「んふふ〜あっねえねえ?岡田くんは陽ちゃんて小日向くんの事呼んでるけど僕も呼んでいい?」
そう聞く布施君は可愛らしく小首をかしげて陽ちゃんに問いかける
あっ…
陽ちゃんそうゆう可愛らしいのに弱いから許しちゃうかも…
俺だけの特別みたいな感じで嬉しかったから少しだけ心のどこかで嫌だなんて最低な事考えてしまった
そんな事を思ってる俺をチラッと陽ちゃんが横目で見てくると静かに口を開いた
「…ごめん、その呼び方俺恥ずかしいから苦手で ハルは注意しても昔から辞めないから諦めてるんだ、だから俺の事は良かったら陽って呼んで欲しい」
陽ちゃんのこの答えに驚いた
それにいつもの間延びしたような話し方とは違う、ハッキリとした通る声で返事をしたものだから俺は少し不覚にもときめく
「そうなんだね、じゃあ僕も楓磨って呼び捨てにしてねっ」
なんて語尾に音符が着くように可愛らしく布施君が微笑んできて
その横でずっとただ俺たちのやりとりを見ていた
新堂 龍というクラスメイトがふと口を開いた
「俺は……龍って……呼んでくれ…よろしく………」
龍が話すのを聞いて俺も陽ちゃんも少し驚く
見た目はハキハキとしてそうなスポーツマンタイプな爽やかな龍だったが、ものすごーーーーく間の空いた見た目からは想像もつかないくらいに天然さが伺える様な喋り方だった
そのギャップにいささか驚いていると
当初の話からだいぶズレてしまったことに気づいたのか慌てた様子で楓磨が話を打ち切り俺の方を向いて話しかけてきた
「でさでさぁ!ところでハル君はーバスケ部…ダメぇ?」
「んー……俺はバイトしなきゃでさー中学はバスケ部だったからすごい興味あるしやりたいけど家のことあって」
「え!それならきっと大丈夫だよ!この高校部活にバスケ部がなくてほとんど同好会みたいな感じでね…だから週一日程度とか街でやってるミニバスとかそんな感じの緩さなんだけどどうかな?!」
なんて俺の返事を聞いた途端追い立てるように今日一番の笑顔で聞かれる
なんだか布施君…いや、楓磨ってすごい元気…弟の光思い出すななんて思いながら
そのくらいの緩さなら体が鈍らないためにもいいかもな〜と思い「考えておくよ」と返した
ふと「龍は?」と聞くと
「俺は……野球……」とだけ言われた
ポツンとマイペースに話して
こんなにマイペース…いや時差?いやなんだろ異次元?を感じさせるような喋り方だが
見た目は野球が似合う運動神経の良さそうなかっこいい感じの男の子で
やっぱりその見た目と中身のギャップに少し頬が緩んでしまう
それは隣の陽ちゃんも同じだったのか
「龍って面白い俺的にはこのうるさいハルと毎日だったから龍みたいな落ち着いたやつといると心休まるかもしれない」
なんて言っていた
それを聞いた楓磨は
「えっ?!僕はぁ?僕はぁ?」
って捨てられた猫みたいに不安そうにきいてくる
「元気な楓磨はどこかの誰と違ってうるさいじゃなくて楽しいから好き」
そう言って、俺の方をチラッと煽るように一瞬こちらを見てまたすぐに前を向いた
なになになに今の視線…エロい…!!
じゃなくて!!酷い…!
うるさくて悪かったなとへそを曲げたのは言うまでもない
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