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遠足_6
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集合の声に集まり、竹ちゃんの説明を聞きながらも俺はずっと他の事に意識が向いていた、
愛未ちゃん…陽ちゃんタイプの子だったな
髪が黒くてストレートヘアーの長い子陽ちゃん好きだよね。
そこまで考え、俺は自分の明るいストレートヘアーを指先でいじった。
それに比べて俺の髪の毛は、母親譲りの根っからの茶髪だし男だから髪伸ばせないしなぁ
いやまず性別が同性て時点で俺は土俵にも立てないんだけど
あの子もきっと陽ちゃんの事好きだよね〜
あんなに顔赤くして声かけて陽ちゃんモテるな…
陽ちゃん確かこの1ヶ月で先輩からもアタックされてたし彼女、できちゃうかも…
なんて事をぐるぐると考えていたとき頭上から声が掛かる
「なに百面相してんだ、いくぞハル」そう言うと陽ちゃんは俺の手を引いて立ち上がらせてくれた
え?もう話し終わった?!と思いながら慌てて立ち上がると「もうとっくに皆動いてるよ頭でっかち」と楓磨の毒舌が聞こえてくる
そんな声を聞きながら
陽ちゃんと並んで楓磨と龍の後ろを歩いてついてく
「陽ちゃん」
「ん?」
「さっきの子、可愛かったね」
「愛未ちゃん?」
「うん、愛未ちゃんもそのお友達も」
「…ハル気になる子でもいたか?」
「違うよ〜それは陽ちゃんなんじゃないの〜」
「…なに拗ねてんだ…確かに可愛いけどまだ知り合ったばっかで気になるほど俺は見た目で人を見てないけど」
「…でも可愛いんだ」
「どうした、そんなにへそ曲げて。俺なにかした?」
「ううん〜!してない!ごめん早く行こー」
そう言って楓磨と龍の元へと駆ける。
陽ちゃんは何もしてない
俺がただ女の子って存在に少しモヤモヤしただけだ。
小さくて可愛くてとにかく存在自体が可愛い。
男ならやっぱり相当な物好きかいろんな事情を抱えてない限り俺みたいな男より皆女の子を選ぶはずた。
陽ちゃんに可愛いと言われる対象の女の子に俺が勝手にヤキモチ妬いただけだ。
はあっーーーもう俺朝余裕のある男になれって喝入れてきたばっかなのに、余裕どころか狭すぎ!俺の懐狭すぎ!
よしっ余裕のある男になれないならば
クールな男になろう。
陽ちゃんみたいに負けず劣らずクールな男になるぞっーーーー!
そうやって自分を励まして切り替えて歩きだす
でも本当に一番羨ましかったのは
あんなに真っ直ぐに思いをぶつけられる愛未ちゃんの強さだった
俺には…
今の俺には性別超えて、友達を超えて、陽ちゃんに気持ちを告げる勇気がない。
気持ちを告げたらそこで関係が崩れる位なら俺は一歩引いててもずっと「友達」で居れる居場所を選ぶんだ。
それが気持ちをずっと伝えられなくても、気付かれなくても、それでいいって思ってたのに。やっぱり目の前でそんな勇気を見せられる情けないなって自分が嫌になってしまうんだ。
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