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テスト
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朝のSHRが始まる。
昨日はよく寝れたか?なんてタケちゃんが気遣う言葉をかけたあとに今度は頭を悩ませる単語が聞こえた。
「さあ!皆お待ちかねの中間テストがあります!」
えええ~とクラスの皆からブーイングがあがる
俺ももちろんその一員だ。
「うげ…テスト…」
「ハル………赤点だけはやめとけよ」
後ろを振り返るとぼんやりと陽ちゃんが俺に向かって言ってきた
「…陽ちゃん勉強教えて…?」
おそるおそる陽ちゃんに尋ねる
「いいけど……俺部活あるからできない時は一人でも頑張れよ?」
「えっ、いいの?!やったーありがと!」
陽ちゃんは喜ぶ俺を見て優しく微笑んでくれた
部活があってきっと疲れると思うのに、
いいよと言ってくれた陽ちゃんにきゅんっとして今すぐ抱きつきたいけど押し込める
ホームルームが終わり案の定楓磨がげんなり顔でこちらにやってきた
「ねえええテストって…テスト…テスト…虐待…?テスト…?」
「いやいや虐待って…」
あまりにも楓磨がテストを嫌うために笑ってしまった
「あー!笑うなぁ~どうせでくのぼうだってテスト嫌いな癖にぃ~」
「テストは嫌いだけど、お子ちゃまな楓磨みたいに俺は虐待とは思いません」
「うっわ!そういうとこ!僕がハルの嫌いなところって僕のこと子供扱いするところ!」
そう言って俺をむーっと睨みあげてくるところ自体がもう子供っぽいとは思ったけどこれ以上はもっと吠えられると思って口を紡ぐ
「ごめんね?……それよりさ、龍は勉強得意なの?」
「得意だよ〜本当なら2つ上くらい高いところを狙えるはずなのに野球目当てで入ったんだもん」
そう言ってにぃー、と聞こえそうな笑い方をする楓磨はまるで自分の事のように嬉しそうに笑っていた。
楓磨…いつもこのくらい純粋に笑えばいいのになぁ
あんなニコニコっなんてハートが浮かぶような笑顔よりも、今みたいにアヒル口をにぃーっとめいいっぱいに口角あげて、目を垂らして笑う楓磨をみていたらこっちの笑顔の方が好きだなーなんて思った
「へえ〜龍って頭いいんだ…て待って?勉強も出来て、運動神経もいいなんて…それに顔も良し…最高の三拍子じゃんか!!!!」
「僕も最高の三拍子だよ?」
「何言ってんだよ……でも一応聞くけど何?」
「可愛い!キュート!ラブリー!…っね?」
そういいながら首をこてんとさせて同意を求めてくる楓磨は確かに可愛い。
確かに可愛いけど……
「ピュアじゃないからやだー!そんなの悪魔だ悪魔!」
「僕の可愛さは汚れを知らないけどね〜ん」
ふふん、なんて鼻を鳴らしながら言う楓磨も自分の中身は汚れまくってるて事には気づいてるらしい
「…中身は汚れてるっていいたいんだね、はいはい」
「ムカつくぅー!」
そうぎゃいぎゃいと楓磨と話していると授業の鐘がなった
チラっと陽ちゃんを見れば陽ちゃんはもうぐっすりと寝ている。
よくこんなに寝てて頭いいよね…神様は不公平なんだなぁ…とその綺麗な寝顔を見てふと思った。
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