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テスト
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◇◇◇◇◇
二日間に渡る怒涛のテストはおわり
今日はテスト返却日になり二日目だ
本命の英語は昨日もらえなくて、
今日の四時間目にある英語に俺は朝からドキドキとしていて
その待ちに待った四時間目は今なわけでドキドキはピークを迎える
うわーーーとうとうこの瞬間がきちゃったや…
どんな結果が来るんだろうとバクバクうるさい心臓の音を聞いていたらついに名前を呼ばれた
先生からテストを受け取るとすすっーと教卓から離れてドアの前に移動してそのテスト用紙を広げて息をのむ
――84…
紙に書かれた赤い文字を何度も何度も見返しては頬を緩めた
えっ?嘘…俺ほんとに…?!
「陽ちゃん陽ちゃん!!!!80超えたよ!!」
「頑張ったな!」
俺の頭をくしゃくしゃと撫であげながら陽ちゃんが優しく微笑んでくれる
その手のひらの温度を感じて胸が熱くなった
テスト一つでなんなんだってところだが
俺にとっては今握り締めてるその紙が背中を押してくれるきっかけになったんだ
――俺は本当に本当に陽ちゃんのこと好きなんだ、だからちょっとだけ俺これからは少し頑張りたい
楓磨みたいな理解者が近くに現れたお陰なのか、今迄みたいに後ろ向きな考えよりも頑張ってみたいと思い出していた
昔の俺は「やらない後悔よりやった後悔の方がいい」って考えがわからなかった
理解はするけど、心の底からそうとは思えなくて
臆病だった俺は
「やらないまま」でいる俺と
「やった後の現実を知った」俺とで考えていた
何かに挑戦してことごとくそれを否定されたとしたら、すべてが挫折したら、やっぱりあの時やらなければ良かったんじゃないかって後悔するんじゃないのか
やらないままでいたら確かにそれはそれで後悔するかもしれないけどいつまでも何かに夢を見続けることができる
夢のままそのままの不確かなモノで残る
ぼんやりとあの時やっておけばよかったかもってそんな昔の事に「やっていたらこうだったかな?」て思いを馳せられるなら俺はそんな後悔の方がいいって
目の前でボロボロと崩れて現実を知ってしまうのが怖かったから
だから俺はそうやって勝手になんでも諦めてきた
でも、少し信じてみよう自分を
もしもダメでもどんな結果でも
こうやって頑張ったこと、いつかは自分の心の成長に繋がる筈だから
傷ついたとしてと変わっていかなきゃならないんだ
そう思うようになったのは
新しく友達になった楓磨の影響が大きく響いていた
頑張ると決めてからはモヤモヤとしたものが何だか消えて今は逆に清々とした
まだいつ伝えるとは決めてないけど
心がその時だって思ったら否定をしないで堂々といたい
お昼の時にこっそりそのことを楓磨に伝えると楓磨は俺の好きな方の笑顔でたくさんニコニコしながら俺を抱きしめてくれた
本当に楓磨には沢山感謝で胸がいっぱいだ
いつか楓磨が困ったときは今俺が助けられたみたいに俺も力になりたいと思った
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