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秘密_2
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ハルの家からすぐ近くの家に戻る
玄関からリビングに向け「ただいま」と声をかけた
返事はなく、誰もいないことを知ると胸を撫で下ろす
顔を合わせる前に早く着替えてハルのところに行こう
陽を引き取り育ててくれている
小日向 享(とおる)は普段はとても温厚だ
しかしそれは陽にだけ例外だった
陽の父代わり享が家に戻ってもう4日経つが毎晩毎晩飽きもせず享は陽を抱いていた
四日前、ハルとの事があったばかりで陽は元気がなかった
部活でも元気ないなと先輩にも同級生にも心配され、先生にも「熱中症かもな」と言われ早めに帰された
家に着き鍵を開けようとして違和感を覚える
鍵があいているのだ
「…兄貴?帰ってるの…?」
そう聞いた問いかけに違う人の声が聞こえる
「…祥じゃないよ、お帰り陽」
その目の前に現れた人の顔を見て陽は体をこわばらせた
「……父さん…帰ってたんだね、お帰り」
「陽に会いたくね三日も早く戻ってきたんだ」
「…そう、お疲れ様……俺、シャワー浴びてくるね」
「…陽?その前に俺にやることがあるんじゃないか?」
歩き出す陽の手をつかみ享はそう訪ねた
「………やること…?」
「もう忘れたの?」
「……ううん、覚えてる」
享の目を見て足がすくむ
笑っていてもその目はギラリと陽を見下し
知らないふりは許さない、そう目で陽に訴えていた
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