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行けなくなった夏祭り
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慌てて陽の腕を掴むその手は陽に振りほどかれてしまう
「…触るな!!!」
陽は手首の傷を見られることに過剰に拒否反応を示してしまい大きな声をあげてハルを突き放してしまう
だがそんな理由があることをしらないハルは今迄関わってきて初めての陽からの突き放された事実にショックをうけた
「…ごめ…ん」
「触らないで、もう二度と触らないで…!」
陽は昂り抑えることのできない口から思ってもいない事を言ってしまう。
――違うっ違うっ…今の言葉はハルへじゃない…父さんに、父さんにいいたい言葉なのにっ
うまく感情のコントロールが効かない陽はハルに八つ当たりしてしまう
「ごめん、もう触らないから…」
「…ハルも父さんも…嫌いだ……いっつもそうやって…勝手に…………迷惑だ…」
『迷惑だ』その言葉が今迄で一番ハルの胸に傷をつけた
「…そう、だよね…迷惑だよね、男に思われて、お節介なことされて、挙句に寝込み襲われて…気持ち悪いよね」
「………ああ、気持ち悪い、もう二度と触らないでくれ」
そこまで言って陽は絶望する
――終わった…これでハルは俺ともう口を聞かないだろう。これで俺は一番の理解者を一番の友人を………そして一番大切な人を失った
「………陽ちゃん、ごめん、わざわざ言わせないと俺気づけないなんて幼馴染み失格だね〜」
「…」
「…でも俺やっぱり陽ちゃん好きでさ、陽ちゃんが困るのは嫌だし傷つくのも嫌だから………好きだけど、好きだから、本当に辞めるよ」
「…え?」
「…………本当に好きだから、陽ちゃんを好きになるの辞める。それで本当に友達になれるように頑張るね」
そう言って笑うハルの顔は傷ついた心を隠す時のあの消えそうな笑顔をしていた
「……ハル…あの、俺…」
「……もう何も言わなくていいよ、俺が迷惑かけてここまで追い込んでたってのはぶっちゃけ傷ついたけど、でも今日知れてよかった…じゃなきゃ俺知らないまま毎日陽ちゃん悩ませたんでしょ?そっちのがこわーい!」
「…ハル………ハル…!」
「…そんな、俺大丈夫だから、陽ちゃんが傷つく必要ないよ…ごめんね、嫌がってるの気づけなくて………んー陽ちゃんどうする?俺の家で寝てく?そのままじゃちょっとね…浴衣は厳しいし」
一気にまくし立てるように話すハルの目に陽は映っていなく、陽の言葉など届いていない
ハルは涙を流さないように
今迄純粋に思ってきたこの気持ちが彼をここまで追い込んでいたんだと
本当に困らせていたのは自分で、
なのにそれを知らない自分はヘラヘラと
「助けたい」なんて思っていたなんて自分を嫌いになりそうだと、必死に心に蓋をし悲しみを押し殺していた。
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