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クリスマス
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「陽ちゃん!はい!プレゼント!」
ハルは満面の笑でニコニコと手渡すとおやつをもらえる犬の様に開けて!開けて!と陽の前に正座をしてこちらを伺う
陽は渡された紙袋に入っていた大きな袋のプレゼントを丁寧に開けて行くと、前から欲しがっていた陽の好きなブランドのスパイクが入っていた
「えっ…!ハルこれ…」
「あってる?!前陽ちゃんがサッカーの雑誌読んでるの見たときこれが欲しいのかなってずっと狙ってたんだ!」
そう言うハルはニコニコと自分がプレゼントをもらったかのような笑顔で陽に笑いかける
陽は一度も口に出したこともなかったのにハルが気づいてくれた事に驚き幸せで胸が痛くて堪らない
「ありがとう…大切に使う!」
「うん!またかっこいい陽ちゃんのサッカーしてる姿見に行くからね!」
「うん。待ってる」
「ふふっ楽しみー!あとね、もう一つあるよ!」
ハルはそう言うと紙袋に入っていたもう一つの綺麗にラッピングされている袋を指さした
「…2つ?」
「うん、それはたまたま見つけて」
「………」
陽は何だろうと袋を開けると、色鮮やかな綺麗な青色のマフラーが入っていた
大人っぽくシックなデザインと色で陽の綺麗な肌に映える色だ
「……マフラー」
「陽ちゃん冬いっつも寒そうにしてるから」
「ありがとう…」
「てより俺がこれつけてる陽ちゃん見たかっただけなんだけどね〜」
ハルはヘラヘラとと笑い壁にもたれかかった。陽は綺麗な色のしたブルーのマフラーを手に持つと早速首に巻いてハルに抱きつく
「あったかい」
「うわぁっ!…これじゃあ見えないよ陽ちゃん」
「ハルのマフラーあったかい」
「………気に入ってくれた?」
「うん、どっちも凄く気に入った全部全部大切に使う、ありがとう…ハルありがとう」
「俺こそ喜んでくれて嬉しいよありがとう」
陽はハルの優しい声を聞きながら胸に顔をうずめて離れると、ベットの棚に置いておいたハルへのプレゼントを手渡した
「……ハルみたいにいいものじゃないんだけど…プレゼント」
「………」
「……ハル?」
「………俺に?!」
ハルは陽からのプレゼントに驚いてしまった。クリスマスや行事毎に興味がなく無頓着の陽のことだから、クリスマスにわざわざ寒い外に出てくれるだけでもハルは喜んでいたのに、そんな陽がプレゼントを用意していたとしり思わず動きが止まってしまったのだ
「…う、うん…要らなかった…?」
「違う違う!嬉しすぎて!」
陽はほっとした表情をすると紙袋をハルに手渡した。
受け取ったハルは陽から紙袋を受け取ると開けていいかと有るはずのないしっぽをブンブンと振って聞いてくる。
陽は笑いながら開けていいよと答えればハルはキラキラとした笑顔で包装を解いていく
紙袋から出てきてのは木製の木箱で、それを開けると黒い革に大きなシルバーで縁どられた丸い形のクラシックなデザインの腕時計が入っていた
「え!この時計!」
「……うん」
ハルがいま手に持っている時計は、
今働いてるカフェで腕時計がないと不便だと言い出したハルに頼まれ二人で買いに行ったときにほしがっていた物だった
しかし値段も高くてまだバイトを始めたばかりのハルには手を出すことも出来ず、ましてや自分の為にこんなにお金をかけるなら妹達に何かケーキでも買っていく方が価値があるなぁと思ってハルが渋々諦めた腕時計だった
「陽ちゃんこれ覚えてたの?!」
「うん」
「でも…高かったでしょこれ」
「俺も空いてる日は花屋で働いてるんだからそんな心配するな」
「ううう…もう一生大事にする!毎日毎日飾って眺めるね!」
「飾ったら意味ないだろ…ハルに似合うと思ったから買ったんだから付けたところみたい」
ハルはすぐさま左手首に時計を付けるとジャーンと言って陽に見せる
「ふふっ似合ってる」
「本当本当?!」
「ああ、見た目だけなら仕事できそう」
「なっ!見た目だけじゃなくて中身もデキる男になるから!」
ハルと陽は可愛い口喧嘩をして微笑みあう、どちらからともなくたぐり寄せるようにキスを交わして、くすぐったい気持ちに微笑みあうと再び静かに唇を重ねた
心から溢れてくる好きという気持ちに涙が出そうになる。いつまでもずっとこんな穏やかな優しい時間が続いて欲しいと二人は抱き合いながら同じ事を思っていた。
くっついてベットに潜り込みイチャイチャとしながらまだまだ二人の甘い夜は続いていく。
ひんやりと冷たい外に輝く綺麗な星空のようにキラキラとした思い出がまた二人に生まれた。優しい光の月夜に二人はもっともっと深く愛し合い、溢れんばかりの愛情を目の前の愛しい人に口付けをして伝えあったのだった
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