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心理テスト
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僕は医務室の奥の部屋に連れてこられた。
「いらっしゃい、君がくりすくんだね?」
中には、メガネをかけた優しそうな雰囲気の白衣を着た男の人がいた。
人良さそうだな…
「あ、はい」
「僕は精神科医なんだけど、ちょっと簡単な心理テストをしてもらってもいいかな」
診察じゃなかったの?
「颯から聞いて、ちょっと色々きになるところがあったからね。少しだけお話ししてくれる?」
遥さんは僕の目をじっと見た。
…前言撤回。この人のことちょっと苦手かも……
視線とかが、なんか…無機物を観察対象として見てるみたいな……嫌な感じがする……気がする
「え、あ…はい」
「じゃあ颯は席を外してくれる?」
遥さんは颯さんにそう言った。
え、颯さんいなくなっちゃうの?
「ここに居てくれないの?」
僕は部屋を出て行こうとする颯さんの手を掴み、颯さんが外に出るのを拒んだ。
「……いや、だって遥が出てけって言うから……」
「くりすくんは、颯にいてほしい?」
遥さんは僕に質問をする。
「あ、いや…その、なるべくいてくれると、いいかなって」
「……じゃあ、颯も席に座って。早速だけど、色々質問するから答えてね?」
遥さんはニコニコしててコミュ力高そう…だ。
「君の名前は何かな?」
……え?そんなこと聞かれるの?僕?さっき名前呼んだよね?
「いいから答えろ」
颯さんがボソッと僕の耳元で小さく囁いた。
「…金無、栗栖です」
僕は遥さんの目を見ずに言った。
……なんなんだこれは。
「家族構成は?」
……家族構成…って、言われても……
「えっと……親と、僕だけです」
「そっか兄弟はいないんだね。じゃあ、お父さんはどんな人?」
お父さんって言われても……
「僕が幼い時に亡くなった、ので…」
「わからない?」
「…………はい」
なんか、この人の質問…嫌だ。
「じゃあお母さんはどんな人?」
「……母さ、んは……」
どんな人?
「えっと……綺麗で、優しくて、料理上手で、仕事いっぱいしてて、僕のこと必要にし…………」
母さんは、僕のこと必要に……
あれ…母さんってどんな人……だっけ
「じゃあ言い方を変えようか。くりすくんは、お母さんに必要とされてると思う?」
そんなの必要に決まって…あれ……僕は必要……?いらない?消えた方がいい?…母さんは……え、わかんなくなってきた……僕は必要じゃないの……?いらない子?
「おい遥っ…」
「いいから颯は黙ってて」
「僕は……必要、とされて……るに決まってる」
「どうしてそう思う?」
「だって、母さん…働いた分のお金、渡すと、喜んで…」
「それって本当に君のこと、必要だったと思う?」
「……だ、って……だって、母さんが、僕の仕事を見つけてくれたからッだから、僕は……」
「それはどんな仕事?」
「……知らない、人たちに色々、乱暴されて…最後にお金渡されて……それで……」
「その仕事をしてくりすくんが得たことってあるかい?」
「遥ッお前いい加減にしろよッ」
「颯、邪魔するなら出て行ってくれ」
「ふざけんなよ、お前、くりすが怖がってんだろーがッ……」
颯さんが急に僕に抱きついてきた。
普段なら多分「うわぁぁ」とか僕は言うと思うけど、今は頭の中がいっぱいでそんなこと考えられなかった。
「くりす……?顔色が…」
僕は自分の意思とは裏腹に、颯さんの口に無理矢理自分の舌を捻じ込んだ。
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