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痛い
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「話し合いで解決しそうならそれで終わりたいし」
そんなことを言うソラの顔を俺は見れなかった。
確かに俺は倒されたくなくてソラの後を付いて来てる。
でも…
「で、でもさ、魔王の城って強い魔物がたくさんいるんだろ?魔王の元にたどり着けるのかなー…なんて…」
「そういう魔物を倒す気もないし。言葉が通じなければ逃げればいい。相手が疲れるまでずっと」
「…ソラ、なんでそこまでして魔物を倒さないの?何か理由でもあるの?」
「いや…本当にただ倒したくないだけだよ。魔物だって痛くされて死ぬなんて嫌でしょ」
この後も何匹か出てきた魔物を、ソラは逃がしたり自分が逃げたりして倒さなかった。
「あら、町だわ。今日はあそこで休みましょうよ」
「うん、……マオ?どうかした?」
「…何でもない!行こ?」
こんな心優しいソラを騙して、魔王である俺は隣にいる。
ぎゅう、と胸が締め付けられて痛かった。
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