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真実
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宿屋へ戻ってきて、俺とシエラはソラを囲んだ。
もちろん、疑問を解決するためだ。
「ソラ、教えてくれよ。あの人達一体誰なんだ?」
「あのユーリって子、最後いいお返事待ってますみたいなこと言ってたけど…まさか告白でもされたの?」
「いっぺんに言うなよ。ちゃんと話すから。まず、あの二人は俺の婚約者のお父さんと妹」
こ、婚約者!?
ソラ、婚約者いたのか…。
ズキンと痛んだ胸は、気にしないふりをした。
「…いや、元婚約者か。俺の婚約者だったリオンは、俺のいた村に父親の付き添いで来たんだ。その時、二人揃って一目惚れ」
「へぇ、ロマンチックね」
「まぁな。お父さんも俺の事認めてくれて、後は事が順調に進めば良かった。だけど、そうもいかなかったんだ。…魔王のせいで」
何かを思い出すように、ソラはくしゃりと顔を歪めた。
「婚約が決まった夜、リオンは使いの者と町へと戻る途中だった。突然、魔王が現れたんだ。何故魔王がリオンの元に来たのかは分からない。…リオンは呆気なく魔王に殺された。俺が知ってるのはここまで。全部生き残った使いの者に聞いた話だけどな」
力なく笑うソラの隣で、俺は顔を隠すようにして手で覆った。
一度だけ、一度だけ第二形態になったことがある。
父親と喧嘩して、身分も何もかも嫌になって、もうコントロール出来なかった。
当時のことは、あまり覚えていない。
唯一覚えているのは、雨が降る夜と、綺麗な金髪の長い髪が、血に染まる瞬間。
「リオンは綺麗な金髪で、周りからも愛されていた人だった。それは今でも変わらないんだろうな」
間違いない。
俺は…大切な仲間の、大事な人を奪ってしまったのだ。
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