アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
自覚
-
あの話を聞いて1週間。
俺達はまだアルスの町にいた。
ユーリからの告白にまだ返事をしていないそうだ。
「ソラ、いつ返事するのよ。これじゃいつまで経っても出発できないわ」
「うーん…」
「…ソラ、一つ聞いてもいい?」
「何、マオ?」
「ソラは、魔王が憎くないのか?婚約者を殺されて、それでも話し合いで解決しようと思ってんのか?」
「…言っただろ。傷付いて痛い思いするのは人間も魔物も同じ。もう誰にも、傷ついて欲しくないから」
「……そっか。何か、ソラらしいな」
そうかな、なんて笑うソラ。
笑えてないよ、ソラ。
俺のせいで、俺の勝手な感情のせいで、ソラを傷付けている。
もう、ソラを傷付けたくないのに。
『良いお返事、お待ちしてますわ』
憎い、にくい、ニクイ。
ソラを好きにならないで。
ソラ、俺だけを見ててよ。
――あぁ、俺は、ソラのことが…
「好き、なのか…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 110