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最後の告白
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やっと会えたのに。
マオは俺の知らない姿へと変わっていく。
悲しそうに叫びながら。
「っ……マオ!!」
「ヴ…ヴヴァアアアァァ!!!」
苦しそうにもがきながら、マオは炎を吐くドラゴンになってしまった。
「あぁ……魔王様…!」
ガラガラと崩れ落ちていく城。
魔物達は壊れた壁からどんどん逃げていく。
「ソラ!私達も逃げないと…!」
「先に行って」
「ソラ!!」
「早く行け!必ずマオを連れて戻る!!」
泣いているシエラを近くにいた鳥に預ける。
「シエラを頼む」
「ソラっ…!」
「…先程のご無礼をお許し下さい。必ずや、魔王様を連れてお戻りになってください!」
「あぁ、必ず」
シエラ達が逃げてすぐ、逃げ道となる壁も崩れてしまった。
「ヴァアアアァァァ!!!」
「…マオ、」
ガシャン
剣を背中から下ろして、マオへと近付く。
「ヴァアアァ、ヴァアアアァァ!!!!」
「苦しいね。…辛い思いさせてごめんね、マオ。もう、苦しまなくていいよ」
すっと差し出された腕。
「マオ、好きになってごめんなんて、言わないで」
「ヴヴァァアァア!!!」
「俺のせいで、苦しまないで…!」
ごめん、ごめんね。
この感情を、どうか伝えさせて。
「マオ、好きだよ…!戻っておいで、また一緒に冒険しよう!」
「ヴ、ヴァ…ヴァアァアァ!!」
次の瞬間、凄い音と共に城は崩れた。
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