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幸せ
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少し大きなこのウォーラの町では、たくさんの子供に恵まれるらしい。
現に私の目の前には、チョロチョロと走り回る子供がたくさん。
「可愛いなー!ね、ソラ!」
「うん、可愛いね」
「おにーちゃんたち、たびのひと?」
「そうだよ!」
「わー!たびのはなしきかせてー!」
…可愛いわ。
ギンと同い年くらいの子供もたくさんいる。
「旅の方ですか?」
「えぇ、貴方は…この町の神父さま?」
「そうです。失礼ですが、あの子は…?見たところ、女性はいないようですが…」
「あの子はギン。ここに来る前の村で居場所がないっていうから連れてきたのよ」
ふむ、と何か考える素振りを見せた神父さまはにこりと笑い、深く礼をした。
「ここへ来たのも、神の御導きでしょう。あの子はまだ幼い。どうでしょう、ギンをここへ預けてはもらえませんか?」
「…ここに?」
「はい。この町は優しい子供達でたくさんです。あの子も居場所を見つけられます。なに、最期の別れというわけではありません。あの子が立派に成長して、戦闘に役立つようになればまた迎えに来ればいい」
ふとギンを見ると、もう友達ができたのか教会の周りで遊んでいる。
もう、居場所を見つけたのね。
「そうね。ギンは神父さまに任せるわ」
そのほうが、あの子の幸せに繋がるわ。
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