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未来
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俺が、マオを殺す?
「待って下さい、俺はマオを殺すことなんてできません」
「今は出来なくとも、いずれ殺めることになるのです。いくらお互いを愛していようと、これは仕方のないこと。逃れられない運命です」
淡々と話す占い師に怒りが湧いてくる。
マオを殺すなんてできるはずがない。
「…ここから西へ向かって下さい。貴方達の道は開けます。勇者様、とんだご無礼をお許しください。ですが、私は真実を言ったまで。またお困りでしたらどうぞ、来て下さい」
放心しているマオとシエラを連れて家から出る。
「……何なんだ、あいつ。占い師とか嘘だろ」
「…ソラ…マーサって、思い出したわ。有名な占い師、マーサよ。予言した事は全て当たるって、恐れられて村を追い出されたの。だから、さっき言ったことも…」
「シエラまでそんなこと信じてんのか。俺はマオを殺さない」
「…マーサが言ったことは本当だよ、ソラ。ソラはいずれ俺を殺す。いくら仲間のふりしたって魔物は魔物だ」
絶望したように俯いたマオ。
その顔は真っ青で今にも倒れてしまいそうだった。
マーサが有名だから何だ、有名だから信じるのか?
そんなのおかしい。
「っなんで、マオまで…」
「マーサの噂は俺も聞いたことあるんだ。魔王がこの世界に降り立ったこと、どの村にいつ来るのかもぴたりと当てた。あいつは予言なんて言葉で片付けられない力を持ってる」
「…そうね。強いて言うなら、未来が見える」
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