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本当の幸せ
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「…あら、マオ寝ちゃったの?」
「うん。疲れたみたい」
「そう、なら話しやすいわ」
シエラは俺が持っている本を指差して難しい顔をした。
「それは禁断の書よ。何故ソラが持っているの?」
「もらったんだ。これに書いてあること、知って…」
「知ってるわよ。…マオを、人間にするつもりね」
「……うん」
何故これが禁断の書と呼ばれるようになったのかわからない。
俺にとっては嬉しいことしか書いてない。
…魔物を、人間にすることができるんだ。
「…私は反対しないわよ」
「…マオを、人間にすれば殺さなくていいんだ」
「そうね。でも、魔王としてのマオを殺すことになる。もし、マオが魔王をやめたくないって言ったら?この世界を平和にするのも、危険にするのも、マオ次第なのよ」
「今の世界は、マオの命令のおかげで平和になったの。もし命令をする魔王がいなくなってまた魔物たちが暴れだしたら?」
そう話すシエラは、寝ているマオを優しく撫でた。
「もし魔物たちが暴れだしても、勇者は優しすぎて魔物を倒せない。酷なことを言っているのは分かるわ。でも、もう一度考えてちょうだい。…自分の幸せを選ぶか、国の幸せを選ぶか」
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