アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
間違い
-
「ソラ!またそんな怪我して…!」
「大丈夫だよ、これくらい」
…冒険を止めて5年。
次第に増えていく魔物。
あの日、俺は夜中に宿屋を抜け出してマーサのところへ向かった。
「…頼む、匿ってくれ」
頼みに行った日が懐かしい。
今では一緒に住んで生活を共にしている。
「ソラはすぐに無茶するんだから。ほら、手当てするから来なさい」
「……魔物、また増えたな」
「魔王の仕業よ。何を考えているのか…」
…魔王はまだ誰にも倒されていないらしい。
もうそろそろ、世界が終わる日が近いかもしれない。
「…ねぇ、ソラ。もう気付いているんでしょう?このままでは世界が終わる事を」
「……さぁ、ね」
「真面目に聞いて。ソラ、5年前の貴方の行動が間違ってたとは言わないわ。でも、魔王…いえ、マオを置いて去ったのは貴方の唯一の間違い」
「っ、もうそれは」
「ソラ!今まで言わなかったけど…貴方、寝言でいつもマオって言いながら泣いてるのよ?気付いてる?…それほど想っているのに、どうして自分の気持ちに素直にならないのよ!どうしてマオも、自分も苦しめるの!」
「…マーサ…」
まるで自分のことのように辛い顔をするマーサ。
…もう、このままではいられない。
「マーサ、シエラはどこ」
「…!ソラ…」
かつて着ていた服を着て、マーサの家を出る。
もう、優しさはいらない。
マオを、世界を救うために、立ち向かわなきゃいけないんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 110