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早く
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「魔王様、ご報告が」
「なに」
「…勇者が、こちらに向かっております」
ぴくり、魔王様の体が揺れた。
私は大臣、長く魔王様に仕えてきた。
だからそれなりに分かっているつもりだ。
魔王様の、心の叫びに。
「…そう。もし来たら城に入れろ。手厚い歓迎をしてやろう」
「かしこまりました」
きっと魔王様は寂しいのだろう。
あんなに好きだった勇者様に置いていかれて。
「…勇者様、早く…早く来てくださいませ…!」
世界が、滅びる前に。
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