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優しい人
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ソラの背中を洗ってて気付いたけど、すごく傷が多い。
「…ボロボロだね、背中」
「あぁ、魔物と戦った時についた傷。いっぱいある?」
「うん…。痛々しい…」
「……その傷の分だけ、俺に殺された魔物たちは痛い思いをしたんだ」
「…ソラは本当に優しい人だね。そういうとこ好きだよ」
言った後に少し恥ずかしくなって、照れを隠すようにゴシゴシと背中を洗う。
好きって言い過ぎじゃないか、俺。
「マオも優しい人になれるよ」
「…そうかな。元は魔物だから、考えはひねくれてるかもしれないよ?」
「いや、マオは優しい。優しい魔物は人間になっても優しいよ、きっと」
いつにも増して優しく笑ってくれたソラ。
魔王という恐れられた存在の俺を、人間にしてくれる優しい人。
俺はこんなにも優しい人に出会ったことはなかった。
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