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夏の朝4
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あと1週間で俺は夏休みだった。
お兄さんが夏休み以降もここに乗るかはわからない。それで俺は自分の席を取り戻せて万々歳、のはずなんだけれど。
なんだか少し...嫌だな、なんて考えた俺はもう少し、もう少しだけ近付いてみてもいいかな、なんて思った。
横に座ってそろそろと間をつめる。お兄さんとの距離は2センチ。起きる...かな。
そんな心配は無用でお兄さんはゆらゆらすやすやと眠っていた。
何も考えずにぼんやりと空を見る。
不意に、ぽすっと、何かが肩に触れた。
触れた、というか、乗った。
心臓が急に騒ぎだした。
まっさかー。まさかまさか。なあ。
まさかまさかとゆっくりゆっくり何かの乗っかった、重みのある肩の方を見た。
―――――っっっ
心臓が、飛び出すかと思った。
俺の、肩に乗っかっているのは、紛れもない、お兄さんの頭だった。
目の前に見えるのは綺麗な茶髪、ふんわりと鼻をくすぐるのは柑橘系の香り。
触れた肩からお兄さんに伝わってしまうんじゃないかと思ってしまう程うるさいくらい激しく暴れだす心臓の音。
空なんて見れなかった。
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