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秋の朝6
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やっと話すことができるようになった。
次の日からお兄さんは毎日起こして、と手に書いて電車で眠っていた。
「朝日さん、」
毎日少し緊張しながらとんとん、と肩を叩いて声をかける。
「...んうう、おはよう美月くん」
朝日さんは必ずへにゃっとした笑顔で挨拶をする。寝起きの朝日さんは物凄く可愛い。なんていうか、寝てる時は遠くで見ていたい綺麗さが、一気に無防備になって、すごく、可愛い。
綺麗なのに可愛いなんて、やっぱイケメンってずるいなと思う。
それから毎日話すようになった。
俺の2つ前から乗っているらしい朝日さんを俺が起こす。そして俺が降りるまで他愛もないことを話す。
俺が降りる時、必ず朝日さんは
「いってらっしゃい」
と綺麗に微笑む。
空を見る日課に加わった新しいお兄さん観察という日課は、朝日さんと話すという日課に変わっていった。
日に日に下がる気温は冬を知らせていた。
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