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冬の朝5
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......み、美月く、ん
あぁ、なんだかすぐそばから、朝日さんの声がする。どこから?...俺がもたれている所から。どこにもたれてるっけ?...少し甘い香りと柑橘の香り。....何だろう。
.......
ばっと頭を起こす。
「あ、お、おはよう美月くん」
「わーーーーー!すいません!」
うわーうわー俺の肩で寝てる朝日さんの頭に寄りかかって寝ちゃったよ。うわー
「い、いや、全然良いんだけど、俺いつも寝ちゃってるし、ぜんぜん、良いんだけど.....」
途切れる言葉。
なぜか少し赤い耳。
...ん?なに?なんかしちゃった?
「な、なんか、俺なんかしましたか?」
「いや、その、何かっていうか、その...」
もごもごと言う朝日さんの視線を追う。
「.............うっっっっっっわ!!!」
視線の、先には、繋がれた手。
「うわうわうわうわうわ!!!す、すすすすいません!!!!!」
手を繋いで、お互い寄りかかって寝てるとか、カップルじゃん!!!俺、なにしてんの!!!ばかじゃん!!!
慌てて離そうとするが、なぜか離れない朝日さんの手。
「美月くん!やっぱ!紹介する!ユキちゃんとこいこう!いまから!」
「は?へ?え?ユキちゃん?へ?」
俺の駅は寝過ごし、朝日さんの降りる駅の少し前で目を覚ましたようだった。
「い、いこう!!!いくよ!!!」
手を繋いだまま立ち上がる朝日さん。
手を引かれ俺も立ち上がる。
え、なに?なにが起こってんの?
ユキちゃんってだれ?え、なに?
あ、彼女?彼女さんのこと?
紹介されんの?いまから?え?
なんで手繋いだままなの?え、ええ?
訳がわからず手を引かれるまま電車を降りる。繋いだままの手。なにこれ、夢?
「えーと、あの、朝日さん?」
「な、なに!」
「なんか、怒ってます?か?」
「ない!怒ってない!」
「あの、手、」
「お、俺は、寝てる間に、繋がれてたのに、俺が繋いでるのは嫌なの?!」
「い、いや、嫌とかじゃなくて、」
目の前には改札。
立ち止まる朝日さん。
改札と手を交互に見た後、そろりと離される手。俺の方は見ない。
......何これ。え、ほんとに俺より年上?可愛すぎる。どうしよう。可愛すぎる。
「...わっ、笑うなよ!改札出れないじゃん!し、仕方なくだからね!」
こっちを見ずに早口で言いながら改札を出ていく朝日さん。あぁ、もうたまらない。可愛い。
でも、今から彼女さん紹介されんだよな
あー。やだな。行きたくないな。
ていうか、俺今日学校行かないのか。
ま、いっか。
なんだか開き直った俺は改札を出た。
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